



右/設置 4日目(雨後) right – 4 days after (after rain)
「 行 」
” GYOU “
525x260x40cm
Toilet paper, iron
October 2012
» Exhibited in ART GARDEN 2012 OOIWASAN (Ooiwasan Nissekiji, JAPAN)
Toilet paper, iron
October 2012
» Exhibited in ART GARDEN 2012 OOIWASAN (Ooiwasan Nissekiji, JAPAN)
長い階段を上がりきったところ、本堂の前に、三浦一希のインスタレーション作品「行」が設置されている。秋の色葉を落としている落葉樹と深い緑を保っている杉木、重厚な歴史の色を出す建造物に囲まれて、この作品の白さはひときわ目を引く。 よく見るとその白い物体はトイレットペーパーであることが見て取れるが、そこには本来トイレットペーパーがもつ属性、生活臭さや排泄物といった負の印象は受けない。もっと削ぎ落とされたもの、死装束や宗教世界を連想させる。
タイトルが「行」ということから、ここ日石寺の滝行に作品の着想を得ているのだろう。白いトイレットペーパーは白衣をまとう修行僧であり、空から落ちてくる自然の雨は滝となる。そうだとすれば雨に打たれたトイレットペーパーはどうなるのだろう。滝行によって煩悩が洗いおとされるように、雨に溶けて落ちていくか、それとも溶けきれず塊となって残るのか。雨が降り、どのような姿を見せてくれるか楽しみである。